教室に一歩はいると、さっきまで、ガランとしていた工芸室が、穏やかな喧噪に包まれていました。
授業は、みんなが一斉に同じものをやるのではなく、伝統の型を染める方あり、まったくのオリジナルの作品に取りかかる方ありで、
作業もばらばらで進んでいくようです。
先生が各々の机をまわってアドバイスをしている。お仲間同士でも、構図を決める場面ではいっしょに頭を悩ませ、
家で作業を進めてきた方のまわりには、「わー、よくなったねぇ。」と歓声があがります。
木方先生に少しお話をうかがいました。
「初めての方は、型紙の違いにより、染め方が違うことを学んでもらうために、まずは、用意した型紙で作品をつくります。
そして、半年後には、型紙を彫るところから自分ではじめ、1年後には帯が一つできあがることをめざします。
できあがった型紙を使って染めだけをやる紅型教室もあるでしょうが、私はそれではお仕着せでつまらないと思うの。
私の教室では図案を考え、型紙を作り(一口に型紙を作るといっても、繋ぎを付けて図案を彫り、カシュウ塗料を塗り、 絹の紗を貼り、数時間乾かし、繋ぎを取り、再度カシュウ塗料を塗るという工程を経る)、糊おきし、顔料で色刺しをし、地染めをするところまで、すべて自分でやっていただきます。
最後の工程である湯のしを外注するだけ。 構図も色もご自身がいいと思ったものが一番ですから、講師とはいえ、私の考えを押しつけたりはしません」
とお話してくださる横でベテランの方が、作業の手を止め
「でもね、色を組み合わせて染めたい時、最後の一色が決められなかったりすの。
そんな時に先生のアドバイスしてくださった色を入れると、ぐっと作品がしまってくる。思い入れあるオリジナルの作品こそ完成度を高めるためには、毎週の先生のアドバイスがとても大切なのです。」
と教えてくださいました。
自由な雰囲気の中にも、一体感を感じるステキな教室でした。
2005/3/19(トト)
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