王朝継ぎ紙は、平安末期に宮廷女房の手により完成されたわが国最古の和紙工芸です。
その秀逸なデザイン性、豊かな色彩感覚は現代美術にも通じる芸術性があり世界的評価も高いのですが、
残念なことに戦乱期に阻まれ貴重な技法が後世に受け継がれませんでした。
しかし昭和の世になって、文筆家としても有名な近藤富枝さんによって、王朝継ぎ紙研究会が設立。
一千年の時を経て、継ぎ紙の技法が再生され、東京を中心に今、各地で講座が開かれ始めています。
講師の加藤先生は10数年前から東京の教室に通われ、近藤先生お墨付きの研究会認定講師として活躍されている方です。
朝日カルチャーセンター名古屋としては、初めての継ぎ紙講座を開催するにあたって、
今回は上級者の素晴らしい作品も数点、持って来て下さいました。
二時間という限られた時間の枠内で作品を完成できるようにと、先生はかなり準備にも時間を割かれ、
デザイン、和紙、糊、など、受講生の方がスムーズに作業を進められるような工夫もされていたと思います。
ですからこの入門講座は、ほんとうに誰でも気軽に楽しみながら、短い時間内に素敵な王朝の雅びに触れることができ、
素敵なカードを完成させることができます。
具体的な作業工程としてはまず、先生が用意されたデザインをトレーシングペーパーで写し取り、
トレースが終わったらどこにどんな紙を使うか、自分の好みで決めます。
次に和紙の上にトレーシングペーパーを置いて、めうちで穴をあけていきます。その穴に従って、
手で裂くように和紙を破きます。破り継ぎの作業が終了したら、小筆を使って糊づけします。
後は出来上がり寸法に合わせハサミで切り、ヒモを通し、カードの完成。
先生によれば「めうちを使わなくても、ハサミで切ったっていいでしょうし、
糊も特殊な生麩糊(純粋な天然素材のため何時間もかけて煮込んでつくります。
冷凍保存は出来ないので、冷蔵庫で3日しかもちません)を使わなくても、
普通に市販されている糊でもできないことはないんですよ。
でも私は継ぎ紙研究会の方法をできるだけ忠実にお伝えしています」ということです。
受講生の方は皆さん熱心に先生のお話に耳を傾け、作業されていました。和紙は先生が用意されたものの中から選ぶため、
大きな違いはないだろうと思っていましたが、出来上がりを見るとやはりその人その人の個性が表れ、
受ける印象が異なる作品になっていました。
皆さん、満足された様子で帰っていただけたので、企画者としてもほっとしました。
できればまた是非、第二弾の一日講座を設けたいと思っています。
2004年11月21日 (りん) |