講義後、会う人ごとに、有無を言わさず問題を解かせ、躓いた人には、フッと余裕の笑みをうかべ、優しく教えて差し上げました。
先生がおっしゃった「数学はその式の美しいところを探し、美しい解法で解き、その美しさを保存すればよいのよ。」という言葉を最後に添えて…。
自他ともに認める数字オンチの私が、睡魔と戦うことなく、数学を楽しめてしまったことがうれしくてたまらないので、きょうばかりは、調子に乗らせてください。
予備校の数学の教師というと、早口で、油断をしたら、チョークでも投げてきそうなイメージでしたが、教室にいらした井上先生は、華道家か、音楽家と見まごうような、華やかで、おっとりとした方でした。
絵本を読み聞かせてもらっているような口調に知らずと、数列の世界に引き込まれていきます。
難しい公式を使って解く方法もあるのでしょうが、そんなことを知らなくても、あるイメージをもつこと。
そう子供の頃いろいろな形の積み木を箱にうまく戻したときに使った感覚。そういった方向から攻めていく手もあるよ、数字の美しさを求めていくとおのずと、美しい答えにたどりつくよ、といったことを教わりました。
また、講義というのは、話が横道にそれるのが常ですが、テーマからはずれた話は一つもなく、「皆さんが思ったよりお出来になるので、どんどん進んでしまってどうしましょう」とおっしゃりながらも追加問題の解説も含め、ぴしゃりとカリキュラムを時間内にはめ込むあたり、鮮やかでした。
きょうは、私の十何年使っていなかった脳のソノ部分をググッと指圧してしまいました。
病みつきになりそうです。(2005/7/15 トト)
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