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りんの小部屋
Vol.8
 
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●12月の京都

2005年が明けてしまいました。
2004年の大掃除も一年分の反省も新年を迎える準備もほとんどできていないままの年越しです。年が明けたら明けたで日々の雑事やらぎっしり詰まった(主に遊びの)予定やらで、まるで疾風のように一日一日が過ぎ去って行きます。あな恐ろしや。

というわけで、年が変わってしまって恐縮ですが、昨年12月11日に参加した『文学と京都と味な味』のツアーを思い出してのあれこれを。

蔵田先生の京都現地講座に参加するのは、これで3回目ですが、いつも珍しいものやおいしいものが体験でき、知らなかった貴重な話も聞けて、この感動をもっとたくさんの人に味わってもらいたい、と切に思うのです。名古屋から京都は日帰りコースだし、書店へ行ってもテレビをつけても京都特集の多さといったら目に余るほどですよね。わたしも京都は学生時代から何度も、もう数え切れないほど足を運んでいますが、この講座に出てはじめて京都の奥深さと魅力に触れられた気がします。

この冬は暖冬のせいで、12月中旬の京都はまだそれほど寒くもなく、あちこちで見事な紅葉が見られました。紅葉シーズンの人出もなく、落ち着いた雰囲気の中を散策できて、心身ともに癒されていくのを実感できました。

紅葉の美しさと同じくらい印象的だったのは、お昼を食べに行った「瓢正」という笹巻きすしで有名なお店です。作家川端康成が若い頃から好んで通い、『古都』にもここの笹巻きすしのことが出て来ます。

本来のスケジュールでは、渡辺淳一もよく来るという「和久伝」で食べるはずだったのですが、10名以上の団体はお断りなんだそうで急遽、「瓢正」に変更されたのです。一緒にツアーに参加したグレちゃんは残念がっていましたが、わたしは「和久伝」でも「瓢正」でもとにかくそんな敷居の高い料亭に縁はなく、これからもまず行く機会はなさそうだから、それならば渡辺淳一より川端縁りのお店に行けてラッキーでした。何を隠そう、わたしは20歳そこそこの若さで川端文学の妖美な世界に耽溺して以来、愛読しています。『山の音』や『眠れる美女』のエロティシズムといったら、それはもう、渡辺淳一の『失楽園』なんて足元にも及ばないと思います。

『瓢正』のご主人はニ代目で、学生時代に父親と共に鎌倉の川端邸に行ったこともあるそうです。ノーベル賞受賞後も川端はいつも一人で「瓢正」に行き、いつも寡黙でおまかせ料理を食べていたんだそうです。手紙のやりとりもよくあったとのことで、直筆の手紙も見せていただけました。ファンとしては感激でした。川端が愛した笹すしは見た目も味も繊細な一流の芸術品のようでした。

京都画像1

松ケ崎大黒天の紅葉

京都画像2

足元の石段も絵画のよう

京都画像3

川端直筆の手紙

京都画像4

川端が愛した笹すし

 
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